殺菌剤の分類(FRAC)
FRACコード | 作用機構 | 作用点 | グループ名 | 主な農薬 |
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4 | A:核酸合成代謝 | RNAポリメラーゼⅠ | フェニルアミド殺菌剤 | タチガレエースM液剤 タチガレエースM粉剤 フォリオゴールド リドミルゴールドMZ |
32 | A:核酸合成代謝 | DNA/RNA生合成 | 芳香族ヘテロ環 | タチガレエースM液剤 タチガレエースM粉剤 |
31 | A:核酸合成代謝 | DNAトポイソメラーゼタイプⅡ | カルボン酸 | スターナ水和剤 ナレート水和剤 |
1 | B:有糸核分裂と細胞分裂 | βーチューブリン重合阻害 | MBC殺菌剤 | ゲッター水和剤 ダコレート水和剤 トップジンM水和剤 トップジンM粉剤DL ベンレート水和剤 |
10 | B:有糸核分裂と細胞分裂 | βーチューブリン重合阻害 | N-フェニルカーバメート類 | ゲッター水和剤 スミブレンド水和剤 |
22 | B:有糸核分裂と細胞分裂 | βーチューブリン重合阻害 | チアゾールカルボキサミド | エトフィンフロアブル |
20 | B:有糸核分裂と細胞分裂 | 細胞分裂 | フェニルウレア | アミスター10フロアブル アミスター20フロアブル アミスターオプティフロアブル |
50 | B:有糸核分裂と細胞分裂 | アクチン/ミオシン/フィンブリン機能 | アリルフェニルケトン | プロパティフロアブル |
39 | C:呼吸 | 複合体Ⅰ:NADH酸化還元酵素 | ピラゾールカルボキサミド ピリミジンアミン | ハチハチ乳剤 ハチハチフロアブル |
7 | C:呼吸 | 複合体Ⅱ:コハク酸脱水素酵素 | SDHI剤 | アフェットフロアブル カンタスドライフロアブル ケンジャフロアブル パレード15フロアブル パレード20フロアブル フジワンモンカット粒剤 フルーツセイバー モンカット粒剤 モンカットフロアブル40 |
11 | C:呼吸 | 複合体Ⅲ:ユビキノール還元酵素Qo部位 | Qol殺菌剤 | ストロビードライフロアブル ストロビーフロアブル ファンタジスタ顆粒水和剤 メジャーフロアブル ユニフォーム粒剤 |
21 | C:呼吸 | 複合体Ⅲ:ユビキノール還元酵素Qi部位 | Qil殺菌剤 | ダイナモ顆粒水和剤 ランマンフロアブル |
29 | C:呼吸 | 酸化的リン酸化脱共役 | フロンサイドSC フロンサイド粉剤 | |
45 | C:呼吸 | 複合体Ⅲ:ユビキノール還元酵素Qi部位(スチグマテリン結合サブサイト) | QoSi殺菌剤 | ザンプロDMフロアブル |
9 | D:アミノ酸およびタンパク質生合成 | メチオニン生合成 | AP殺菌剤 | ショウチノスケフロアブル フルピカフロアブル ユニックス顆粒水和剤47 |
24 | D:アミノ酸およびタンパク質生合成 | タンパク質生合成 | ヘキソピラノシル抗生物質 | カッパーシン水和剤 |
25 | D:アミノ酸およびタンパク質生合成 | タンパク質生合成 | グルコピラノシル抗生物質 | アグレプト液剤 ストマイ液剤20 |
41 | D:アミノ酸およびタンパク質生合成 | タンパク質生合成 | テトラサイクリン抗生物質 | アグリマイシン100 |
12 | E:シグナル伝達 | 浸透圧シグナル伝達 | PP殺菌剤 | セイビアーフロアブル20 |
2 | E:シグナル伝達 | 浸透圧シグナル伝達 | ジカルボキシイミド | スミレックス水和剤 スミブレンド水和剤 ロブラール水和剤 |
6 | F:脂質および細胞膜生合成 | リン脂質生合成 | ホスホロチオレート、ジチオラン | フジワン粒剤 フジワンモンカット粒剤 |
14 | F:脂質および細胞膜生合成 | 脂質の過酸化 | AH殺菌剤 | リゾレックス水和剤 |
28 | F:脂質および細胞膜生合成 | 細胞膜透過性 | カーバメート | ベルクート水和剤 |
44 | F:脂質および細胞膜生合成 | 病原菌細胞膜の微生物攪乱 | 微生物 | インプレッションクリア |
49 | F:脂質および細胞膜生合成 | 脂質恒常性および輸送、貯蔵 | オキシステロール結合タンパク質阻害 | ゾーベックエニケード |
3 | G:細胞膜のステロール生合成 | ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化酵素 | DMIー殺菌剤 | アンビルフロアブル インダーフロアブル サプロール スコア顆粒水和剤 トリフミン乳剤 モンガリット粒剤 ラリー乳剤 |
17 | G:細胞膜のステロール生合成 | ステロール生合成におけるC4位の3-ケト還元酵素 | (SBI:クラスⅢ) | パスワード顆粒水和剤 ピクシオDF |
19 | H:細胞壁生合成 | キチン生合成酵素 | ポリオキシン | ポリオキシンAL水溶剤 ポリオキシンAL水和剤 |
40 | H:細胞壁生合成 | セルロース生合成酵素 | CAA殺菌剤 | レーバスフロアブル |
16.1 | I:細胞壁のメラニン生合成 | メラニン生合成の還元酵素 | MBI-R | ブラシンジョーカーフロアブル ブラシントレバリダ粉剤DL ブラシントレボン粉剤DL ブラシンフロアブル |
16.2 | I:細胞壁のメラニン生合成 | メラニン生合成の脱水素酵素 | MBI-D | アチーブ1キロ粒剤24 |
16.3 | I:細胞壁のメラニン生合成 | メラニン生合成のポリケタイド生合成酵素 | MBI-P | ゴウケツ1キロ粒剤 |
P1 | P:宿主植物の抵抗性誘導 | サリチル酸シグナル伝達 | ベンゾチアジアゾール | イチバン |
P2 | P:宿主植物の抵抗性誘導 | サリチル酸シグナル伝達 | ベンゾイソチアゾール | オリゼメート粒剤 |
P3 | P:宿主植物の抵抗性誘導 | サリチル酸シグナル伝達 | チアジアゾールカルボキサミド、イソチアゾールカルボキサミド | スタウトダントツ箱粒剤 スタウトパディート箱粒剤 ルーチンアドマイヤー箱粒剤 |
P7 | P:宿主植物の抵抗性誘導 | ホスホナート | ホスホナート | アリエッティ水和剤 |
P8 | P:宿主植物の抵抗性誘導 | サリチル酸シグナル伝達 | ジクロベンチアゾクス | ブーンアクセラ箱粒剤などの混合剤 |
27 | U:不明 | 不明 | シアノアセトアミドオキシム | ブリザード水和剤 ベトファイター顆粒水和剤 ホライズンドライフロアブル |
36 | U:不明 | 不明 | ベンゼンスルホン酸 | ネビジン粉剤 ネビリュウ |
U6 | U:不明 | 不明 | フェニルアセトアミド | パンチョTF顆粒水和剤 |
U13 | U:不明 | 不明 | チアゾリジン | ショウチノスケフロアブル |
U14 | U:不明 | 不明 | ピリミジノンヒドラゾン類 | ブラシンジョーカーフロアブル ブラシントレバリダ粉剤DL ブラシントレボン粉剤DL ブラシンフロアブル |
U16 | U:不明 | 複合体Ⅲ(結合部位不明) | 4-キノリル酢酸 | トライフロアブル |
U17 | U:不明 | 不明 | テトラゾリルオキシム | ピシロックフロアブル |
U18 | U:不明 | 不明(トレハラーゼ阻害) | グルコピラノシル抗生物質 | バリダシン液剤5 ブラシントレバリダ粉剤DL |
未 | U:不明 | 種々 | 種々 | カリグリーン マシン油 |
M1 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | 無機化合物(求電子剤) | キノンドーフロアブル クプロシールド サンヨール ヨネポン水和剤 |
M2 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | 無機化合物(求電子剤) | イオウフロアブル |
M3 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | ジチオカーバメート類及び類縁体(求電子剤) | アンレス キヒゲンR-2フロアブル ジマンダイセン水和剤 ジマンダイセンフロアブル チオノックフロアブル トレノックスフロアブル バスアミド微粒剤 ホーマイ水和剤 リドミルゴールドMZ |
M4 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | フタルイミド類(求電子剤) | オーソサイド水和剤80 |
M5 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | クロロニトリル類(フタロニトリル類)(作用点不明) | アミスターオプティフロアブル ダコニール1000 ダコニール粉剤 ダコレート水和剤 ブリザード水和剤 |
M6 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | スルファミド類(求電子剤) | |
M7 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | ビスグアニジン類(細胞膜攪乱剤、界面活性剤) | ファンベル顆粒水和剤 |
M8 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | トリアジン類(作用点不明) | |
M9 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | キノン類(アントラキノン類)(求電子剤) | デランフロアブル |
M10 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | キノキサリン類(求電子剤) | モレスタン水和剤 |
M11 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | マレイミド(求電子剤) | ストライド顆粒水和剤 |
M12 | M:多作用点接触活性 | 多作用点接触活性 | チオカーバメート(求電子剤) | カヤベスト粉剤(失効) |
参考文献
農薬の作用機構分類(農薬工業会)
『新版 農薬の科学』朝倉書店、第4版、2019
『現代農業』2021年6月号